「責任取ってよ!」
梅雨明けの澄んだ青空に、女の金切り声が吸い込まれていく。
対するは男の低い声。
「知るかよ!」
興奮のため、わずかに上ずった声でまくし立てる言葉は、
「だいたい俺の子だって言い切れんのかよ。誰とでも寝るくせによ、このヤリマ……ぐぇっ」
しかし醜いうめき声によって遮られた。
男は股間を押さえてうずくまり、声にならない悲鳴を上げる。
その情けない姿を見納めとして、女は唾を吐くように言い捨てた。
「大したモノ持ってないくせに」
冷ややかな視線でとどめを刺した女は、悶絶する男を置いて立ち去った。