父親には、未樹の言っている意味がまるでわからなかった。 育児ノイローゼという言葉がちらついたが、まさか自分の妻がそうなるとは思えなかったし、認めたくないという気持ちも少なからずあった。 一時的なものだと未樹を説得し、しばらく様子を見ることにしたが、それが大きな間違いだった。 未樹は間もなくして、姿を消した。 幼い未央子と、判の押された離婚届、そして「ごめんなさい」とだけ書かれた置き手紙を残して。