親愛なる母へ




決して好意的とは言えない言葉と視線に、未央子は舌打ちを小さなため息で代用する。

今更気にすることでもない。

そんな扱いには、もう慣れてしまった。

正確には、慣れるしかなかったというべきか。

自分を曲げて交わるよりも、ポリシーを貫く方を選んだのは未央子自身。

こうなることもひっくるめた決断だ。

しかしこんなことがあると、「これだから日本は」と心の中で悪態をついてしまう。

見下した視線は誰にもわかってしまうもので、それは未央子に友達ができない理由の一つでもある。