会う日は、未央子のテストが全て終わり、夏休みに入って最初の土曜日に決まった。
未央子は本当はもっと早くに会いたかったのだが、テスト期間であることを見抜いた父親に、きちんと勉強に集中して試験に臨むよう言われ、それは叶わなかった。
真面目な父らしいと、未央子は思った。
父親にはまだ、今回の訪問の理由は話していないが、未央子にとっては確かな前進だ。
以降、勉強にも身が入り、どうにか単位を落とさない程度だが、無事にテスト期間を終えることができた。
約束の土曜日、未央子は緊張の面持ちで、父の住むマンションを訪れた。


