親愛なる母へ




亮に会ったことで、勇気が出た。

未央子はその後すぐに父親の携帯電話にメールを送り、近いうちに家を訪ねたいと伝えた。

仕事人間の父親とは、特別に仲が良いわけでもなく、深い話などしたことはない。

しかし未央子は彼が好きだし、父親も不器用なりに未央子を大切にし、未央子もそれをしっかりと感じ取っていた。

一緒に過ごす時間は限りなく少なかったが、関係は決して悪くない。

それが、確かに変わってしまうのだ。

しかし誠意を持って臨めば、決して悪い結果にはならないはずだ。

未央子は父を信じ、全てをぶつけようと決めた。