親愛なる母へ




仕方がないから許してやるか、などとぶつぶつ言う亮を、未央子は盗み見る。

亮がずっと自分のことを心配してくれていたのだと思うと、うれしくてたまらなかった。

胸に優しい温かさが広がり、同時に心地良い高鳴りを感じていた。

申し訳のないことをしたのに、そちらの方に気持ちがいってしまい、口元が緩んでしまう。

それを亮に気付かれてしまい、


「なんだよ、本気で反省してんの?」


再び亮に睨まれてしまうが、それすらもうれしかった。


「テスト終わったらちゃんと話すね」


そう言うと、亮はしぶしぶといった様子で頷いた。