仕方がないから許してやるか、などとぶつぶつ言う亮を、未央子は盗み見る。
亮がずっと自分のことを心配してくれていたのだと思うと、うれしくてたまらなかった。
胸に優しい温かさが広がり、同時に心地良い高鳴りを感じていた。
申し訳のないことをしたのに、そちらの方に気持ちがいってしまい、口元が緩んでしまう。
それを亮に気付かれてしまい、
「なんだよ、本気で反省してんの?」
再び亮に睨まれてしまうが、それすらもうれしかった。
「テスト終わったらちゃんと話すね」
そう言うと、亮はしぶしぶといった様子で頷いた。


