亮は彼女の頭を一撫でし、窓際の椅子に戻った。
窓の外に広がる青い空を見上げて思いにふける。
彼女がこんなことを始めて、もうずいぶん経つ。
亮との出会いがきっかけで始めたと彼女が言っていた、温かくも悲しい行為。
『何を書いてるの?』
彼女の病室を訪れるようになって間もなく、彼女は時折、机に向かうようになった。
それまでの彼女はというと、窓際に置いた椅子に座ってぼんやりと外を眺めているか、ベッドで横になっているかのどちらかだった。
そのため、亮はその変化にひどく驚いたのを覚えている。
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