「ええと、亮さん、は、音楽やらないんですか?」 一葉が遠慮がちに亮に話しかける。 ひどい人見知りだったのに、成長したものだと未央子は関心する。 「俺?昔やってたけど。ちょっとだけね」 その言葉に、未央子は眉を吊り上げる。 「は!?聞いてない!!」 「うん、言ってないし」 未央子の血が再び逆流する。 散々バンドの話をしていたのに、これではまるで隠されていたようだ。 そしてそれを、会ったばかりの一葉にはあっさりと打ち明けるなんて。