親愛なる母へ




彼氏か、と、未央子は一葉の言葉を心の中で繰り返す。

亮と二人でいると、そんな風に見えるのだろうか。

そういう風に見られて、未央子は決して悪い気はしない。

亮はたぶんもてるだろうと予想しているし、未央子自身も亮のことは好きだ。

そういえば、以前に一度だけ会った小さな従妹も、亮を“かっこいい彼氏”と言っていた。

そんなことを考えていると、未央子はどうにもくすぐったい気分になり、傍らの亮を見上げる。

しかし亮はさして気にするでもなく、涼しい顔で瓶を傾けていた。

その横顔が、亮にとって未央子はそんな対象でないと言っているように見え、未央子は無性に腹が立った。