親愛なる母へ




「知り合い、じゃないよね?」


どちらともなく問いかける。

その言葉にはじかれるように、一葉は亮に向かって頭を下げる。


「えっと、えーっと、は、はじめまして!……未央子、彼氏連れてくるなんて一言も言ってなかったから、びっくりしちゃって」


思いがけないその言葉のせいで、未央子はわずかに感じていた違和感を放棄した。

未央子は慌てて否定する。


「は!?彼氏じゃないって」

「え、そうなの?」


疑いの目を向けてくる一葉を無視して、未央子はコーラを喉に流し込む。

炭酸の強い刺激で、目尻に涙が浮かぶ。