一人残されたテーブルで、未央子はアイスティーの残りを飲み干した。 兵藤はずいぶん前に、仕事の時間だからと戻って行った。 テーブルの上に、一枚のメモを残して。 「次は“中森さん”か……」 未央子は、メモに書かれた文字を声に出してみる。 その横には、携帯電話の番号が添えられていた。 彼女は、未樹と同じ大学に進学した高校時代の同級生だという。 少なくとも兵藤よりは、母との付き合いが深い人物だ。