親愛なる母へ




未央子の頭の中が、ぐらりと揺れる。



理由?

離婚したことも、その後一度も未央子に会いにこないことも?

そして、未央子に手を上げていたことにも?



口の中が渇いて、舌が張り付く。


「ただ父との仲がうまくいかなくなって、離婚しただけかもしれません」


未央子は辛うじて、それだけ口にすると、兵藤は前のめりになって言う。


「だって、その後、未樹はあなたに会いに来ていないんでしょう?」

「それは、親権とか、よくわからないけど、そういう取り決めのもとで離婚したからじゃないんでしょうか」


そう言うと、兵藤は未央子を包み込むように微笑む。


「あの子は、そんなに薄情な子じゃない。自分の娘を簡単に手放せるような子じゃないよ」