亮が近付いてくることさえ待てない未央子は、グラウンドに続く石段を跳ねるように下りた。 「少しだけなら会って話せるって!」 兵藤は現在、未央子達の住む街から車で一時間ほどの都市で働いており、近くまで来てもらえれば、会うことも可能だと話していた。 「よし。会いに行くか」 そう言う亮に、未央子は勢い良く頷いた。 さっそくアポイントメントを取り、次の週の平日、彼女に会いに行くことになった。