突然のことでつぶってしまっていた目を
おそるおそる開ける。
そこにはユニフォーム姿の赤い髪をした男の人が
痛そうな顔をして梨乃の上に覆いかぶさっていた。

「いってえな」


赤い髪の男はユニフォームについたほこりをパンパンとほろいながら立ち上がった。
梨乃も続いて立ち上がる。



「ご、、ごめんなさい!」



梨乃は謝った。


「あ?お前誰だよ、まじいてえな オレ様が怪我でもしたらどうする気だ」


そういい残してダルそうに頭をかきながら梨乃が来た道を反対方向に歩いていく。



「誰だろう、、」


梨乃はその後ろ姿をじっと見ていた。



「あっ、楽譜!!」


そして、また長い道のりを走っていくのだった。