非常口階段で一人にされた梨乃はただ、なにも考えずに立っていた。
“愛美が創汰のことを好き”
このことが頭のなかをぐるぐると回っていた。
愛美はとてもかわいらしい子だった。
髪の毛は段の入った肩につくかつかないかくらいのショートカット
とてもスタイルも綺麗で脚も細いし肌も白い。
部活では創汰と一緒に担当しているトランペットをたった三ヶ月の間でかっこよく吹きこなしていた。
それに気さくでフレンドリーな性格でだれにでも好かれるような人だった。
「創汰は愛美のことどう思っているんだろう。」
「愛美なんかに好かれたら一発だよね」
梨乃はいつのまにか思っていることが全部口から出ていた。
ガタッ
何か下へと続く階段から物音がした。
「え?」
