『ユナ…』 「お願い…っ」 いまやあたしは 完全に泣いていて。 電話のむこうの飛鳥も 泣いてるかも、なんて… 夢にも思わなかった。 ―飛鳥の心に 土足で踏み込んでいこうとするあたし。 それを… 飛鳥は受け入れてくれた。 この時の飛鳥の哀しみを 理解するのはずっと先のコト。 でもその時あたしは… あたしは…… 『わかった。 外出れる?』