「ユナ?俺がだれかわかる!?」 飛鳥は眼から大粒の涙をこぼしていた。 「…なに…泣いてんの?ばーか…」 「ユナ!!!」 部屋にはいっぱい人がいた。 父さんも母さんも葉も。 飛鳥の両親も。 朝美も元木も。 お医者さんも看護師さんも。 それなのにコイツ… 「人…いっぱいいるよ?」 「関係ないし」 みんなの目の前であたしを 抱きしめてる。 泣きはらした顔を隠して。 「あ…赤ちゃん…は?」 そう言うと飛鳥はニッコリ笑った。 「あそこ」