てか王様ってどんな?
逃げるほどなんだから、相当不細工だったとか…
いや、もうおじいさんだったとかかな?
そんなのこっちもお断りよ!
「いえ…。それはあの……」
「協力してくれると言ったよな?お嬢さん。君一人くらいこの世から簡単に抹消できるのだよ」
私はその言葉を聞いて背筋が凍りつく。
こ、こわい…。
「つ、謹んで務めさせていただきます」
それからは地獄のような日々だった。
今まで下町に住んでいた平民の私が、急に姫の代役を務めることになったんだもの。
礼儀作法はもちろんのこと、その女の子の癖、話し方、プロフィールを自分のものにするまで。
「沙耶姫様…どうか、どうか帰ってきてください…!」
結婚式前日の嘆きが届くことはなかった。


