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To:妃彩
何時でも声聴かせろ
氷雨
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初めてなった電子音。
ピロピロっと
着信を告げたその音を確認して
最初のメールを開いた妃彩は
嬉しそうに笑った。
「えっと
……返信……」
アタフタするアイツの仕草が可愛くて、
もう暫く放置していたかったのに、
すかさず後ろに控えていた黒服野郎が
妃彩の隣に歩み出て、
携帯の使い方教えてやがる。
手慣れない手つきで、
ぎこちなく動かした指先。
送信ボタンを押したのか、
ほっとしたような笑みが零れ落ちる。
手の中の携帯ランプが点灯して
着信を告げる。
★
To:氷雨くん
ありがとう。
大好きvv
妃彩
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そんなメールを見届けながら、
心の中で毒づく。
だから、
お前はストレートすぎんだよ。
初めての携帯体験が終わった後、
オレは思い切って、
朔良さんに外出許可が貰えないか訪ねてみた。
早々に許可が下りたオレは、
初めての妃彩とのデートに踏み出す。
準備をするから。
そう言って追い出された部屋。
その部屋の中、
今井だけは入室を許されてる。
おのれ、黒服野郎。
なんて思いながら、
ドアの前でイライラしているオレを見ながら
朔良さんは楽しそうにクスクス笑ってやがった。



