桜ノ宮サナトリウムに到着した車。 車椅子を降ろして、 車から私を車椅子へと お姫様抱っこで移動させた 氷雨は、そのまま…… 自分の唇を私の唇に重ねた。 戸惑いの中で、 どうしていいかわからないまま、 ただ瞳を閉じた私。 「また明日」 その言葉を残して、 氷雨は、暗闇の中に消えて行った。 氷雨が唇が触れた、 自分の唇をそっと指先で辿る。 ……氷雨……。 突然のキスの余韻に浸りながら 車椅子の車輪を両手でまわして 自室へと戻った。 こんなにも…… 誰かを好きになるなんて 思わなかった。