「お前が無事で良かったよ。

父さんから事故の一報が入った時の
 母さんの慌て方なんて尋常じゃなかった。
 
 お前も落ち着いたら戻ってこいよ。
 母さんには僕がうまく言っとくから」




そう告げると、
兄さんも病室から出て行った。




出逢ったばかりの少女と
残され二人きりの病室。





帰ろうと思えば、
何時だって帰れるはずなのに……
オレは何故か、この病室から
離れることが出来なかった。