教室に入るとほとんどがグループ化していた。




うそ、わたし出遅れたじゃん…
ひとりぼっちとか絶対嫌だ!




わたしはひとまず席につき、周りを見渡したが、わたしみたいに1人の子はだいたい本を読んでいてわたしと気が合うような子はいない。






どうしよ、ほんとにひとりぼっち決定じゃん…





そう思っていたとき、






「1人?」





そう声をかけてきてくれた子は、金髪に近い茶髪のロングヘアで、薄く化粧をしていた。






「あ、うん。なんかもうグループ出来てたみたいだし。」
「うちクラスの子ほとんどに話しかけたけど気が合いそうな子いなくてさ」
「そうなんだ」
「名前、なんてゆーの?」





その子は笑うと八重歯が見えた。
すごく可愛い笑顔だった。




「高橋 亜莉です」
「うちは瀬尾 羽花!」
「羽花ちゃん…?」




わたしは恐る恐る名前を呼んだ。




「羽花でいーよ!うちも亜莉って呼んでもいい?」
「う、うん!うん!」




高校で出来た新しい友達。
八重歯が特徴的な元気いっぱいの羽花。





その日はずっと羽花と話してた。
中学の話、友達の話、恋愛の話。






羽花には同じ高校に彼氏がいる。
わたしたちは2組で、羽花の彼氏は3組。





明日会わせてもらう約束をして、わたしは帰りのバスに乗って、いつもの道を歩いていた。