「湊? 今日の湊、おかしいよ?」

「俺がおかしい? 別におかしいことなんて言ってないだろ。ショートヘアだから子供っぽく見られるんじゃないか?」

子供っぽく見られたくないから、ゆるふわパーマでスタイリッシュにしているのにっ。

「余計なお世話っ」

「ロングのミミちゃん、見て見たいな~」

はぁ……だめだ。完全にからかいモード。
付いて来るんじゃなかった。

「なにふてくされてるんだよ」

湊の手が伸びてきて、私の少し膨らんだ頬に指で触れる。

あ……。

湊のつけている香水の香りがふわっと漂ってきて、意識なんてしていないのに、心臓がトクンと高鳴った。

なにか言わなければと思った時、コーヒーが運ばれてきた。
コーヒーのおかげで、湊の香水の香りが消された。

湊はコーヒークリームとお砂糖を入れている。
私はそのままで、カップを持ち上げるとそっと口付けた。

「コーヒーだけ見ると、ミミはオトナだよな。ブラックが好きってところが」

まだからかうモードは続いているみたい。