思ったより背が高い。モデルのようにも見える。

「紅緒ちゃん、熊田さんはお帰りになったの?」

美里ママが振り向いて美人さんに声をかけた。

「ええ」

紅緒さんって言うんだ。やっぱりニューハーフなの?

「じゃあこちらへいらっしゃいな。可愛いお客様を紹介するから」

美里ママが手をひらひらさせて手招きしている。

「失礼しま~す。紅――」

にっこりと素敵な笑顔で紅緒さんは久我さんと菊池さんに挨拶したんだけど、私を見て言葉が止まる。

どうしたんだろう……?

小首をかしげる私に紅緒さんは笑みを取り戻し挨拶する。

ブルーのコンタクトレンズ入れてるんだよね? 
ほりが深く外国人にも見える。

「紅緒です。よろしくお願いします」

久我さんの隣に座わり、優雅に足を組む。

「うわー、紅緒さんってとても綺麗ですね。本当は女の人じゃないんですか?」

久我さんも紅緒さんが綺麗だって思っているんだ。