部屋はあたしの為に小さな電球を点けてくれた。


「先寝てろっ」



そう言って如月さんはベットから離れてパソコンの前へ行ってしまった。


もしかして如月さんは仕事をしていたの?

あたし、邪魔しているかな?



頭の中に浮かんでくるあたしの1日。


如月さんの過去を知り、暗い所を克服しようと頑張ったが失敗。

如月さんの闇を照らしてあげたい。

如月さんに家族を教えてあげたい。



どれもこれも失敗に終わって、今は如月さんの部屋に居る。



あたし…

全然ダメじゃん。


あまりに自分の出来の悪さに涙が出てくる。


泣いてはいけないのに、泣いたら気付かれるのに。


あたしの涙は止まる事を知らない。



「…ッ…」


「アズ?」


気付かれた。

あたしは如月さんに背中を向けた。


「どうした?泣いているのか…」


「泣いて、いない…」


「嘘つけっ!

何、泣いているんだ?」