「あ、あの……
これからよろしくお願いします」


玄関でお母さんたちを見送った後に如月さんに向って深く頭を下げた。

これからお世話になる人だもんね。
最初が肝心。


「あ~、よろしく。

俺、部屋にいるから。
メシ出来たら呼んで」


…… はっ?
あなた誰ですか?


さっきまでの『あの優しそう』な印象の如月さんが……


今はその印象が全く……無い。



「あ、あの…如月さん?」


「俺これから寝るから静かにして」


「は、はい」



そう言って如月さんは階段を上って自分の部屋に行ってしまった。


なんなの、あの人…


ものすごーーく、口が悪い。、


とても優しさなんか感じられない。


最悪の同居人だ。


さっきまでのあの柔らかくて、陽だまりみたいな表情が嘘みたい。