「如月さんの事が好きなの…」



溢れてしまった。


一生懸命、押さえていたけど…


無理だった。



「だから、だから…」



この先の言葉が出てこなかった。


出せなかったんだ。


それは如月さんに抱き締められていたから。



「如月さん…」


「梓」



名前、呼んでくれた。



「梓、好きになってくれてありがとう」


そう言って如月さんはあたしから体を少し放し

微笑んだ。


そして如月さんの顔がゆっくり近づいてきて

如月さんの唇があたしの唇に降ってきた。


あたしは目を閉じる事を忘れていた。


如月さんのキレイな顔が近くにあった。



あたし、如月さんにキスされた。



「どうして、キスしたんですか?」


「梓の事が好きだから」