今朝も規則正しく目覚ましが鳴る。


もちろんあたしは起きない。


藤なんてもう知らない。



藤の太陽になろうと思ったけど…

結局なれなかった。



藤には大切な人がいるからその人が藤を照らしてあげればいい。

その人なら、藤の真っ暗な深い闇を照らしてくれるよ、ね…



コンコンッ――――…


藤だ!



「アズ…起きているだろ?
飯作ってあるから食べろよ。


昨日も言ったけど…

この家、“ぜってぇ”出ていかねぇから」


「行ってくる」そう言って藤は今日も仕事へ行った。


「さっさと“さくらさん”のとこに、行けばいいのに」



想ってくれない藤と顔を会わせるのは辛すぎる。


幸せだったこの休み中を思い出してしまう。



テーブルの上には昨日と同じようにご飯が並んでいる。