藤は行き先を告げずに車を走らせた。


空港からも家からも離れ、どんどん進んでいく。



車を1時間くらい走らせた時、
藤は駐車場に車を停め藤は「降りるぞ」と言ってあたしの手を握って歩き出した。



「ふ、藤?どこへ行くの?」


「ん~行けば分かるよ」



どこへ向かっているんだろう?


目の前には数え切れないほどの階段。


その階段をあたしは藤に手を引かれ登っていく。



藤はいつもより強くあたしの手を握っている。


それに落ち着きも無いように見える。


……………この先に何があるの?



あたしは一切話を聞かされずにただついていくだけ。


何も話さない藤。


階段を登り終えたと思ったらあたしの目の前には沢山のお墓があった。



「ここ、は?」


「行くぞ」


あたしの質問に答えずに迷わず進んでいき1つのお墓の前で止まった。