あたしは藤の隣に座った。


「今まで話していなかったが…」


藤が話ずらそうに口を開き、話始めた。

その話しはあたしは今まで全く聞かされていない話だった。


「さっき聞いた通りだけど…何年も前から海外にホテルを建てる計画が進んでいたんだ。


今回の“世界旅行”の本当の目的は世界各国をみてどこにホテルを建てるかを見に行く旅行だったんだ」


どこにホテルを建てるか見に行く旅行だったら2年も休みを取ることは可能かもしれない。

けどそれだったらあたしにも話して欲しかった。



「なんで何も話さないでいたか分かるか?」


あたしは首を横に降った。


「アズを…梓を不安がらせない為だったんだ」


「あたしを…」


「そっ」



藤を見上げるととても優しく笑っていた。

あたしを不安がらせない為って何?