キッチンにはお母さんが立っていた。


「おはよ、お母さん」


「あら、アズ…

やっぱり起きたわね」


「えへへ。起きちゃった…何か手伝うことある?」



「そうねー…」お母さんは何か仕事を探しあたしに任せてくれた。



初めて一緒に料理を作ったかもしれない。


ほぼ1人暮らし同然の生活を送ってきたあたしはお母さんとキッチンに立った記憶が全くといっていい程思い出すことが出来ない。


だからこれが…


初めて。



「そういえば…アズとキッチンに立つのってもしかして初めてだよね…?」


あっ…お母さんも同じ事を思っている。


「そうだよ!」


それが嬉しくてあたしは笑って答えた。


「お母さんの、アズとキッチンに立って料理を作る事が夢だったの」


「だったらこれから沢山しようねっ♪」