「うわぁ!」


あたしはビックリして後ろに倒れそうになったが…

腕を捕まれ倒れずに済んだ。


「藤起きていたの?」


「“どっかの誰かさん”がいつでも来ていいようになっ」


『どっかの誰かさん』って完璧あたしの事だ。


藤はベッドから降りて電気を点けてくれた。


「暗くて怖かっただろ?ごめんな」


「大丈夫だったよ」



そういえば…この部屋は真っ暗だった。

前のあたしだったら怖くて動けなかったに違いないが今日は怖くなかった。


「そうか…怖い時はちゃんと言ってくれていいからな。


もう遅いからさっさと布団入れ」


あたしが藤と一緒に寝る気だったと分かったのかあたしに布団に入るように促してくる。


「一緒に寝てもいいの?」


「寝る気だったくせに」


そう言ってあたしの横に置いてある枕に笑いながら視線を移した。