「俺、向こうで食うから」


そう言って藤はご飯を両手に持ってソファーの方へと移動してしまった。


1人残されたあたし。


せっかく元に戻ったのに…

これじゃあ寂しすぎる。


次第に熱くなるあたしの目。


この状態がずっと続いたら…

あたしたち別れなきゃいけないの?



……………そんなの、嫌だ!


あたしは急いでご飯を食べ藤の元へ向かった。


藤はとっくにご飯を食べたみたいでお皿は空っぽ。

あたしは藤の前に立った。


「藤…ゴメンね、変な事でずっと怒っていて。
もう怒っていないから…許してぇー」


話していたら涙が出てきた。

今日はよく泣く日だ…


「アズ、おいで」


藤が優しく呼んでくれた。

あたしは藤に飛び付いた。


おっと…と言って少し体勢を崩した藤だったが直ぐに元に戻しあたしを抱きしめてくれた。