喫茶店からどうやって帰ったのか覚えていない。


気が付くと家にいた。



1人では広すぎるリビング。


けどこのリビングには想い出がある。


ここであたしは藤に『好き』って伝えた場所。



次はあたしの部屋。

夏川さんが居候している今、藤はあたしの部屋で仕事などをしている。
寝る時はあたしの狭いベットで2人で眠る。
寝る時はいつもあたしをギューッと抱き締めて寝てくれる。


今は夏川さんが使っている藤の部屋。

ゴミ一つ落ちていない部屋。
藤があたしの為に夜中、こっそり掃除した部屋。



この家には藤との想い出が沢山ある。




あたしは気が付いたら家から飛び出していた。


あの家には藤との想い出がありすぎる。


あたしだけが藤を想っていた。


藤はあたしとの付き合いは遊びだった。


改めて年の差を感じた。





藤…


あたし藤じゃなきゃダメなんだよ。