試合中だと言うのにのん気なやり取りをしていた私達は、素早く試合に意識を戻す。


10分だった試合時間も、残り30秒になっていた。


「鍵野君ハイッ!」


「サンキュー前橋!!」


ボールを持っていた私は同じAチームで男子バスケ部の鍵野君にパスを回して、ボールの行方を見守る。


鍵野君が放ったボールは、見事リングに吸い込まれた。


ピピーーー!と、試合終了のホイッスルが鳴り響く。


「16対12で、Aチームの勝利!!」


体育の先生がそう言った途端、Aチームのメンバーが歓声を上げた。


「「「やったーー!!」」」