2人にとっては“無かった事”になってしまった、私と月模の2ヶ月間の同居。


いきなり同居しろ言われて、しかも相手がヴァンパイアだって知らされて、何もかもハチャメチャだった。


だけど月模と過ごした日常は、確かに存在していた。


「1人じゃなかったもん」


「えっ?葵、何か言ったか?」


「ホラ2人共、早く中入ってお茶しましょう!」


ゾロゾロと家の中に入ってゆく両親に続いて、私も足を進める。


これからも巻き起こるであろうドキドキハラハラの連続だけど手離せない、キラキラした日常を想像して、1人頬を緩めたのだった。









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