「お、お母さん、とりあえず離して………」


どうにかお母さんの腕の中から訴えかけ、ようやく解放された。


「葵、ただいま」


「私も改めてただいま!北海道のお土産たくさん買って来たわよ!」


「お、お帰りなさい、2人共!!」


ああ……月模との同居が終わっちゃったのはさみしいけど、やっぱり家族もいい。


2ヶ月振りに見た両親の姿に、さっきとはまた違った意味で目頭が熱くなった。


「ずっと1人にして悪かったな葵。大変だったろう?」


「………」


お父さんの言葉で、本当に月模の魔法は解けたんだと分かった。