オレがポツリと呟くと、前橋は「えっ?」と言いながらこちらを向く。


1つ長いため息を吐いてから、語り出した。


「確かにオレと達寛は月模が何をしようとしてたのか知っていた。初めは反対したんだけど、アイツ……ある目的の為にこうしたいって聞かなくてさ」


「目的?目的って私の血を吸う事でしょう?」


「バーカちげぇよ。月模はただ………お前と近づきたかっただけなんだよ」


「――――ハッ?」


オレの言葉が予想外だったのか、無意識の内にマヌケな声を漏らす前橋。


達寛はそんな前橋を見て、面白そうにクスクスと笑った。