帰宅した私は、着替える事もせずに自室のソファーに座り込んで、腕輪を眺める。


“なんでシルバーの方なの?”と聞いたら“オレヴァンパイアだから悪魔羽ピッタリだし、天使羽の方が葵に似合う”と簡単に言っちゃった月模を思い出し、また顔が熱くなった。


ソッと左手首にはめると、キラキラ光ってとってもステキ。


「ウフフ~~~♪ずっと大事にしようっと!!」


嬉し過ぎてテンションがおかしくなっていた私の顔は、ニヤニヤ緩みまくり。


こんなんだから――――…私と月模にゆっくりと忍び寄る不穏な空気に、気がつく事が出来なかったんだ。