ドラマを観ていた時は普通に隣り合っていたのに、今や葵がオレのあぐらの中で上半身を捻り、パジャマを握りしめ、目はウルウル。


ああぁあぁぁ……理性がフッ飛びそうだ!せっかくさっき我慢したのに………


「分、分かった……じゃあ……呼ぶね?」


「………お願いします」


意を決したらしい葵が、凛とした表情でオレを見上げる。


それでもまだテレているのか、頬は微かにピンク色で口をパクパクしている。


抱きしめたまま待つこと15秒程―――――…やっとオレの願いは叶った。


「月模………」


―――ああ。


素直に嬉しい。