同じく海から上がっていた加納君に、何気なくかき氷を一口分けてあげた。


ところが加納君が立ち去った後すぐ、三船君が私の前にしゃがみ込む。


三船君の左右に跳ねた黒髪は、海水に濡れたせいか真っ直ぐになっていた。


「葵。オレもかき氷ちょうだい」


「へっ!?//////」


ち、ちょっと待って!


それって三船君にも“あーん”しろって事!?


「イ、イヤ、あの……///」


幾ら何でも好きな人にあーんは厳しい………!


そう思ってテレてると、三船君はムッとした様な顔で――――…


「なんで翔瑠には普通なんだよ」