三船君の手は見た目は華奢なのに、繋いでみると意外としっかりしている。


当たり前だけど私よりずっと大きくて、私の手はスッポリと包み込まれていた。


「平気だって。もし見られたとしても忘却魔法かけて忘れさせるから、問題ない」


「で、でももし大勢の人に知れ渡ったら、忘却魔法かけるのも大変でしょう!?だから」


“やっぱり別々に帰ろう”


と言いたかったのに――――…三船君の空いている方の手で唇をなぞられ、声が出なくなった。


「いいから…万が一また貧血起こしたら、大変だし。それにオレが葵と一緒に帰りてぇから、帰んの」