どうしよう……まさか貧血治ってないの?


「ホラ見ろ月模!前橋貧血起こしてるじゃねぇか!テメェ幾らおいしいからって吸い過ぎだっつーの!!」


魔法が解けたらしい加納君が、口を大きく開けて私を指差しながら叫んでる。


さすがに優しい性格の五十嵐君も、「黙れ翔瑠!」と加納君の頭にゲンコツを落とした。


「葵、大丈夫か?」


まだ頭がボンヤリする私の前まで来て、目線を合わす三船君。


「ちょっと口開けろ」


「ホエ?」


言われた通り口を開けると、何か甘いものが放り込まれた。


「な、何!?何入れたの三船君!?」