夏。
高校に入学して4カ月が経とうとしていた

俺は後藤隆翔(ごとうたかと)。
"マジメ"な同級生たちは
部活動に励んでいるというのに
俺は"帰宅部のエース"といったところだろうか
完全に部活無所属組だった。

それでも何か始めようと思った俺は
親友の修ちゃん(おさむちゃん)の勧めもあり、
ギターをネット通販で購入した。

ある朝のことだ。
いつものように通学路をまだピカピカの
自転車にまたがり、みやもと肉屋の前を通りすぎた時
「おーい!」
後ろから耳をふさぎたくなるような"奇声"がした。
修ちゃんだ。
俺がおはようと口を開く前にいきなり
「バンド組まねぇ?」と言い出した。
相変わらず意味のわからないやつだった
前にもこんなことがあった。
いきなり「ディズニーランド行かねぇ?」
とか言い出し、
無理やり着いていかされたっけな
それにくらべてはずいぶんましだが、
「ギターを買え」と言ってきた。
どうやら、修ちゃんは最近ベースをはじめたらしい、、、

そして、気づけば俺はamazonの購入ボタンをクリックしていた。

そんなこんなでギターを買ってしまった、いや、買わされてしまったのだが、
なにをすればいいのか、、、

修ちゃんは「まずは、コードをおぼえろ!」
とか言ってたが、コードがなにかすらもわからない、、、

この一本のギターがこれからの人生を大きく変えようとは、
その時はまだ、想像も付かなかった、、、