紙ヒコーキに想いを乗せて




この相手が淳平だったらって、考えちゃう自分が嫌だけど。

時間になって教室に戻ると、クラスの子から


「幸重田と回ってた?もしかして付き合ってんのー?」


「お似合いだよ〜このこの!」


って、勘違いされてる!


「違う違う!あたしはーー…」


「あたしは?」


その言葉の続きをみんな聞いてくる。


「あたしは、重田なんて好きじゃないしっ!?」


危ない危ない。
もう少しで“あたしは淳平と付き合ってる”って言いそうになるところだった。

自分からは言わない。聞かれたら答える。

2人で約束したことだから、守りたい。


「またまたそんなこと言って!」


茶化してくる友達はあたしの言ってることを聞いてない。

…結構声大きいかな?

淳平達のとこまで、聞こえてるかな?


友達と笑い合ってる淳平には、とても聞こえてるようには思えないし、多分聞こえてても何も気にしない…か。


「みなさん、今日はおつかれさまでした!明日は最終日なので、がんばりましょう!」


小さな体で精一杯の大きな声を出そうとがんばっている小夜ちゃんを見て、癒される。


よーし、明日もがんばろ!!


…てか、ヒナコいないし。
絶対彼氏と一緒にいるでしょ。

まあ、先生にはごまかしといてあげよっとーー。