紙ヒコーキに想いを乗せて



…いいなあ。ラブラブで。


「幸、あたしもう上がるね〜?」


すっかりご機嫌なヒナコは、雨宮くんと腕を組んでメイド姿のまま教室を出て行った。


「…大江のやつ。」


重田が怒りながら水道でお皿を洗ってる。



「手伝う!」


あたしもスポンジを手にとってコップを洗う。


「重田、いたんだ」


「ずーっと裏で洗いもんしてた。おかげさまで、手は真っ赤。」


ずっと洗い物とか。
どこの新人バイトよ。


「本当だー。しかも超冷たいじゃん」


重田の手を触ると、パッと離される。


「泡つくからやめろよ〜」


「わっ」


水をかけられる。


「そこの2人、イチャついてないで交代しろよー」


「はーい」


制服に着替えて、美希達と歩き出す。


「ね、クレープ食べない?」


「いいね。」


「あ、あたしミスコンみたーい!」


4人でキャッキャ言いながら廊下を歩く。


「二階堂先輩、今年も1位かな?」


「二冠だね!」


一個上の去年優勝した二階堂先輩の話とかして、クレープ屋に並ぶ。