紙ヒコーキに想いを乗せて




「あ、俺ヒナコの彼氏の、雨宮隆司」


「はあ…」


ヒナコの彼氏ぃ!?
い、イケメンだなあ。

ヒナコは今、裏でテキパキとパフェを作っている。


「ヒナコ、裏にいるんだよね…」


「そっかー…ヒナコのメイド姿見たかったのにな」


ニコ、と爽やかに笑う彼は、男子の汚さを感じさせなかった。


「あ、ちょっと待ってて?」


あたしは慌てて裏に行き、ヒナコに話しかける。


「何幸〜?もうすぐシフトチェンジだから、それまで働こ??」


仕事に夢中のヒナコ。


「…雨宮くん、来てるよ?」


「えっ!!」


カラン、とプラスチックのコップを落とすヒナコ。
みるみる表情が緩んでいって、すぐに厨房を出る。

ちら、と覗くと


「約束してたのと違うじゃん」


「驚かせよーと思って。かわいいじゃん」


ポンポンと頭を撫でてる雨宮くん。
あのヒナコが、デレデレ。