紙ヒコーキに想いを乗せて




「幸、それは2番テーブルだってば!」


「あ、ごめーん!」


「藤森、お前ケチャップかけすぎじゃね?」


「え、そう?」


接客をしても、中で作ってても、失敗ばかり。
…こんなんでやってけるのかな〜


「すいませーん」


「は、は〜い。いらっしゃいませご主人様!」


慣れない口調に作り笑顔。
シワできるよこれ、絶対!!!


「わかりました。少々お待ちください」


テキパキとしたはっきりしてる声。

小夜ちゃん、接客うまいなあ〜
笑顔もかわいいし。メイドやってて大正解。


「藤森、これ1番テーブルな」


「はーい」


それに比べてあたしは…



「それでは、秘密のおまじない、かけちゃいまーす」


メイド喫茶を忠実にマネするうちのクラスって…



「あ。藤森幸さん?」


「え?」


声がする方を見ると、ふわふわの茶色い髪に優しそうな笑顔を浮かべている男の人がいた。

だ、誰??