そして、ついに文化祭は明日になった。
「淳平なんか一言言えよ〜」
みんなで放課後残って準備して、帰るときに淳平の友達がそんなことを言う。
淳平は恥ずかしそうに頭をかいて、
「明日、盛りあげようぜ!!!」
と叫んだ。
その言葉にみんなもオーー!と言う。
団結感あるね。いいクラスだな!!
ぞろぞろとみんな下駄箱に向かって歩く。
「幸、一緒に帰んないの?」
「え、うん。なんで?」
あの日以来淳平とは一緒に帰っていない。
文化祭準備とかで忙しいし、…なんか恥ずかしいし。
ヒナコにはあの日に電話して、ちゃんと報告した。
すっごく喜んでくれて、タブルデートしようって何回も聞かされてる。
「あ。…小夜ちゃん隣にいるよ!いいの?」
気づくと淳平の隣には小夜ちゃん。
2人は実行委員だから、話すことが多いと思うし、仕方ないこと。
そう言い聞かせてる数日間。
「いいの!さ、帰ろ帰ろ〜」
「…もー」
「ふーじーもーりーさんっ」
「わっ」
ヒナコと歩いていると、頭をポンっと叩かれる。
「重田」
「元気ねーじゃん」
いつもはニヤニヤしながら話しかけてくるのに、今日は少し真剣な顔で話しかけて来た。