てゆーかそれ以前に、本当はここの屋上は立ち入り禁止。

でも、元卒業生であるあたしのお兄ちゃんが、あたしにくれたのがここの屋上の鍵。


なんで持ってたのか、どうやって取得したのかは教えてくれなかったけど、お兄ちゃんのおかげで今ここにいれる。


淳平はなんで入れるんだろう?



「あ。幸、今日は大関中庭じゃない?」


「え?」


「声、聞こえない?」



耳を澄ますと、男子のギャハハ、と言う何とも品のない笑い声が聞こえる。


その中に、淳平の声も交じってる。


そうわかった。



「コクればいいのに。あんなに仲良いんだから」


「無理無理!だって絶対フられるし。」



口を尖らせてそっぽを向く。



「えー?そうかな?」


「そうだよ!」



淳平は、隠れモテボーイだ。

顔だってそんなに悪くないし、面白いクラスのムードメーカーみたいな存在だし、何より女子に優しい。
……あたしを除いて。


だから、告白されるところを見たことがある。